pLaTeXはじめの一歩(〜2011)

インストール

UbuntuにTeX/pTeXをインストールします。

端末を開き、以下のコマンドを入力します。

$ sudo apt-get install xdvik-ja okumura-clsfiles
dvipdfmxで日本語フォントを扱うため以下のおまじないをします。
$ sudo bash -c "echo 'f jis-cjk.map' >> /etc/texmf/dvipdfm/config/config"
(何をやっているかわかりますよね?ファイルの末尾に一行追加しています。)
その後、以下のコマンドを実行する。
 $ sudo jisftconfig add

Thanks to TA北川君(2010 & 2011)

エディタ
TeXのソースファイルを作成するためにエディタを使いますが、困ったことにubuntuの日本語コードはutf-8(と呼ばれる最近主流の文字コード)なのに対して、上でインストールされるpTeXはutf-8を扱えず、ソースファイルの日本語コードはEUC-JP(と呼ばれる昔からUnix/Linuxで使われていた方式)でなければなりません。そこでここでは日本語文字コードを柔軟に扱えるemacsを使います。
以下のコマンドで、emacs23と日本語コード変換ユーティリティnkfをインストールします。
$ sudo apt-get install emacs23
$ sudo apt-get install nkf
次に端末から以下を実行します。(あらかじめ適当なディレクトリに移っておくとよい。)
$ emacs first.tex
でファイルを開いたら、Ctrl+x, Enter, f を順に押します。すると下の方(ミニバッファという)に
Coding system for saving file (default nil): 
と出るので,そのまま
euc-jp
を入力してEnterします。
これで作成するファイルの日本語コードがEUC-JPとなりました。
(既に作成した日本語ファイルを開いた場合は自動的に設定されるのでこの操作は不要です。)

ファイルを開いたまま次に移ります。

EUC-JP以外のファイルの場合

すでにあるファイルがEUC-JP以外(Shift-JIS, utf8など)の場合は、あらかじめnkfでEUC-JPに変換しておきます。
$ nkf --euc oldfile.tex > newfile.tex

はじめてのLaTeX

ファイルfirst.texを開いた状態のまま、次のようにemacsに入力します。

¥documentclass{jarticle}
¥begin{document}
はじめの一歩
¥end{document}

画面上では¥はバックスラッシュ\(実際は半角)と表示されるかもしれません。
また、日本語入力モードと英語(デフォルト)モードの行き来にはAlt-`又はコントロール-spaceを使います。

Ctrl+x, Ctrl+c を順に押してemacsを終了し
(ファイルを保存するかどうか聞いてくるのでyを入力します)次のコマンドを入力します。

$ platex first

いろいろなメッセージが出てコマンドの実行が終了します。
lsコマンドでどのようなファイルができているか確認してください。
TeXが生成した文書の情報は

first.dvi

に含まれています。

first.log

にはTeXが行なった処理のログが書き込まれます。

$ xdvi first

で中身を確認してみましょう。(File -> Quitで終了)

$ dvipdfmx first

でPDFファイルにすることもできます。

Tips

実際に文章を書いたり修正したりするときは、何度もファイルを編集してはplatexその他のコマンドを実行することになります。この時、emacsをいちいち起動・終了しないで、次のようにすると便利です。
まず
$ emacs first.tex &
でemacsをバックグラウンド実行します。このようにしても、emacsは別のウィンドウを開いてくれるので、シェルには引き続きコマンドを入力することができます。
emacsが開いたウィンドウに移って、ファイルの編集を行ないます。
編集が終了したら、Ctrl+x, Ctrl+s と順に打鍵すると、ファイルに上書きするかどうか聞いてくるので"y"を入力します。
再び端末のウィンドウに移り、platex その他のコマンドを実行します。

繰り返し

編集してplatexかけてxdviで確認して、、、を何回も行なう時、コマンド行は

$ platex first; xdvi first

と一行にしておくと、過去のコマンドを再実行するシェルのヒストリ機能が便利に使えるのですが、どうせなら

$ platex first && xdvi first

にすると、もしplatexがエラーで止まってしまった場合xdviを起動しない(しても無駄ですよね?)のでいいかもしれません。

さらに、もっと複雑なことをする場合(複数のファイルに分かれているとか、bibtexなど別のプログラムも走らせるとか)は、シェルスクリプトにしたり、makeコマンドを使ったりするといいでしょう。(makeは今回の計算数学Iでは扱いませんでした。興味のある人はTAに尋ねてください。) 

TeX mode

emacsは単なるエディタではなく、Emacs LISPと呼ばれる言語の処理系そのもので、いろいろな機能を実現することができます。その一つとして、開いたファイルの種類に応じて、編集その他の活動を支援するモードが実装されています。"*.tex"という拡張子を持つファイルを開くと、TeXモードになります。ただし、LaTeXで書かれていると判断できるファイルを開いた場合は、LaTeXモードになります。
LaTeXモードでは、
  • TeXのキーワードや、特別の機能をもつ語のハイライト(色づけ)
  • 入力時によく使う語や対応する括弧、コマンドの入力支援
  • latexコマンドの実行
などができます。
例えば、LaTeXモードでcontrol-c control-oを続けて打鍵すると、
\begin{
までがファイルに入力され、ミニバッファでブロック名を入れると、
\begin{...}
 
\end{...}
が自動的にファイルに入力されます。enumerate, itemizeといった環境では
\item
まで入れてくれます。このように、少ないキーストロークで効率よく編集がすすめられます。
LaTeXモードの機能一覧は、control-h mを入力すると(画面が二つに分かれて)表示されます。
詳しくは、emacsのマニュアル等を参照してください。

emacs以外にも、TeX/LaTeXの入力や処理を助けてくれるソフトウェアはいろいろ存在します。手になじむものを見つけて、使い込んでください。ただし、一番肝心なのは自分が書く文章の中身だということをくれぐれも忘れずに。

この先は

これでTeXの処理ができるようになったので、あとはLaTeXの文法を勉強するだけです。
TeX Wiki ( http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texwiki/ )の「TeX入門」などによって試しながら進めてください。

なお、数学を続けるつもりの人はTeXでストレスなく数式を含む文書を作成できるようになっておく必要があります。TeX Wikiの「TeXの本」などを参照して、練習しておいてください。

Alternatives

Knoppix/Mathには既に構築されたTeX/LaTeX環境が含まれています。これを使えば何もインストールしなくても使い始められます。

UTF-8をサポートしているTeX Live 2010をインストールすると、EUC-JPから離れられます。
参考:http://mizupc8.bio.mie-u.ac.jp/pukiwiki/index.php?TeX%2FUbuntu
ただし、時間がかかる(一晩)ということです。(Thanks to TA神田君)

Windows用のインストーラもいろいろあるようです。
『LaTeX2e日文書作成入門』付属のDVD所収のものや、阿部紀行さん(計算数学TA OB、現北大)作のインストーラ(http://www.math.sci.hokudai.ac.jp/~abenori/soft/index.htmlより)を使うのが手っ取り早そうですが、私(一井)は試していません。

Mac用には MacTeX:http://www.tug.org/mactex/ があります。TeXshop, LaTeXitなどなどよく使うツールも一緒にインストールできます。

Reference

JapaneseLocalizedDerivative/LaTeXForJapanese

Ubuntuの日本開発チームのメモですが、参考になります。いろいろ深いです。(最近更新されていない?)

ċ
memo.txt
(4k)
北川弘典,
2010/06/25 4:47
ċ
tl09inst.log
(6k)
北川弘典,
2010/06/25 4:40
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